【美醜島~ブス姉の逆襲~(1巻)感想】華族令嬢・涼子が船の転覆で流れ着いたのは無人島!そこでは、かつての主従関係が壊れ、チカラあるモノが支配するようになった!
美醜島~ブス姉の逆襲~(1巻)感想(少しネタバレあり)
月森雅子
単にえっちなシーンが多い女性漫画かと思ったら、それ以上にストーリーに引き込まれたのが『美醜島~ブス姉の逆襲』です。ストーリーは、華族令嬢・九条涼子が、望まぬ結婚を強いられた最後の家族旅行で、嵐により船が難破して無人島に流れ着いてしまい、そこではかつての主従関係が崩れ、チカラあるものが支配する環境になり生活するという感じ!
無人島に流れ着いた臣下にしたら、仕える主人の存在が無ければ、かつての主従関係が失われるのは当然のこと!涼子が男たちの慰み者にされるという悲惨な展開!で、単に涼子の哀しい生活のストーリーかと思ったら、それも違って、実はその涼子の隠れた血が目覚め、男達を陥れようとするストーリーになっていくわけ!この辺りの持っていき方が秀逸なんだよね!面白さの秘密が分かった感じ!
最初こそ涼子が単に男たちの娼婦にされて悲惨な人生を送る展開なんだろうと思っていたら、男に抱かれながらも虎視眈々と復讐していくって展開にムネアツ!しかも、復讐相手には、男たちだけでなく、涼子の父が妾に産ませた醜い姉も含まれていたりして、面白展開が期待できそう!
まあ、この姉も母の身分の違いからお嬢様にはなれず、下女として働いていたくらいだからね!相当うっぷんも溜まっていた感じ!無人島に流れ着いたことで、そのうっぷんのはけ口が涼子になるんだよね!
なお本作の良いところは、登場人物の背景を丁寧に画いている点!そして男たちも単なるゲスな男で終わっていないのも見逃せない。
当初、無人島に流れ着いた涼子は、昔みたいにお嬢様気質が抜けない感じだったけど、男たちに襲われたり、また使用人の澤井のアドバイス(?)もあり、復讐の鬼に変わっていくわけ!あの姿を見ると、いつまでお嬢様でいるんだよって思うよね!無人島で母の形見の着物を着るなんて、何考えているのって感じ!
男たちの娼婦になりながら、逆に男たちをコントロールして復讐していく様は、かつてのお嬢様気質な涼子とは別人!覚醒した涼子は面白いね!この涼子の覚醒は、テツが殺されたことがキッカケかな?
また、登場人物の中でも特に怪しいのが、何だかんだで澤井だよね!澤井だけは、隠し財産を探しているみたいだけど、それを探し当てたらどうするのかな?涼子も裏切るのか気になるところ!
醜い姉のミツ子がどんな方法で涼子を陥れようとしてくるのかも興味津々!続きが気になる!ただ、ミツ子の『醜い人間は、みじめだ』ってのは、寂しさを覚えるよね・・・
本作は、絵柄のわりにストーリーが超イイから楽しめる!