【恋の罪-エルネスティナ-(1巻)感想】中世ヨーロッパの退廃的な恋愛模様を描いた問題作!これ、映画を見ているような重厚なストーリーに圧倒されてしまう!
恋の罪-エルネスティナ-(1巻)感想(少しネタバレあり)
如月芳規
単なる恋愛漫画だろうと思って気軽に読んでみたら、思っていた以上に重厚なストーリーに圧倒されたのが『恋の罪-エルネスティナ-』です。これ原作があるんだよね!マルキ・ド・サドの短編集『恋の罪』の中で、特に人気がある”エルネスティナ”を漫画化したもの!
このサドって人は、フランス革命期の貴族であり、そして小説家なんだって!で、このサドの作品の特徴ってのが、凄く偏っているわけ!それこそ個人の肉体的快楽を追求することを至上命題にしているほど!そんな人が書いた中で、特に人気があるのが”エルネスティナ”なんだよね!
この”エルネスティナ”のストーリーは、中世のスウェーデンが舞台で、商業都市で働く会計士のヘルマンと元軍人の家の娘・エルネスティナの恋の物語!だけど、もちろん横やりも入るわけで、ヘルマンを養子に迎えたショルツ夫人がヘルマンに求婚していたり、元元老院の男・オクスチエンヌ伯爵などが関わってくる!
特にオクスチエンヌ伯爵がエルネスティナを気に入っちゃって、何とかして手に入れようと画策するんだけど、なかなか上手くいかないでいる!ただ、この人物、性癖も偏っていて淫靡な生活をするくらいで、アレコレ策を巡らしてくるわけ!
まあ、最終的にどうなるかっていうと、賛否両論だったりする!しかも本作は、映画にしてもいいくらいの重厚なストーリーになっているわけ!煮え切らない態度をとっていたヘルマンに気持ちも分からなくはないけど・・・外堀を埋めていくオクスチエンヌ伯爵とか、もう面白い!これは、隠れた人気漫画の1つといえるかもしれない!