【復讐の赤線 ~私を奴隷にした家族を許さない~(1巻~2巻)感想】戦争孤児の女の子(14歳)の悲惨な奴隷生活!戦後は、こんなことが本当にあったのかもね!怪しい男・高塚に水揚げされ、夜の蝶に変身していく頼子が逞しくなっていく!
復讐の赤線 ~私を奴隷にした家族を許さない~(1巻~2巻)感想(少しネタバレあり)
原作:葉山いずみ、漫画:慶優
戦後こんなことが本当にあったのかなと思わずにいられないのが、『復讐の赤線 私を奴隷にした家族を許さない』です。たぶん、本当にあったんだよね?すごく心が痛む作品ですが、それなにの読み進めてしまう魅力がある作品です。
物語は、戦争孤児となった頼子(14歳)が母方の遠縁(杉山家)に引き取られ、家族から奴隷のように扱われるところからスタートします。特にひどい仕打ちをしてくるのが、杉山家当主・功の妻の信子!この信子が、頼子のことを家畜でも扱うがごとく、こき使う!しかも、頼子に浴びせる罵詈雑言は、不愉快になってくるほど!
そして信子の娘の恵子(長女)!この恵子も、頭にくるくらいに頼子に意地悪してくる!意地悪というか、もう虐めだよね!そして恵子の弟の俊人!こいつは、今でいう引きこもりみたいなヤツで、なぜか自尊心だけは高いらしく、尊大な振る舞いを頼子にする!まあ、性格も歪んでいる感じもするしね!
ただ、信子の子供たち(3人)の中で長男の篤人は、人間ができていて、唯一頼子に優しかったりする。頼子にとっても杉山家の中で唯一心が休まる存在!篤人も頼子に対して、好意みたいなものをもって接しているからね!
そんな頼子に対して優しい顔をする篤人のことを快く思っていないのが、長女の恵子!恵子は、長男の篤人のことが好きらしいから、篤人に優しくされている頼子が憎たらしくて仕方がないわけ!
さらに杉山家当主の功!こいつが、また鬼畜な所業に及ぶわけ!どうも頼子の母親に少なからず好意があったと思わせる描写もあるしね!こんな環境の中で暮らしていたら、頼子の心も病んでくる!そして物語が本格的にスタートするのが、頼子が杉山家に来てから5年後のこと!頼子のさらに悲惨な人生が歩みだそうとしている!
『復讐の赤線』って、『戦後、昭和のころ!実際によくあった物語を漫画化したものです!』って言われても信じちゃうくらい!そのくらい構成がしっかりしているから、読み進めてしまうんだろうね!
本格的に物語がスタートするのは、実は2巻から!1巻で杉山家当主の功に無理やり犯されたことを、杉山家の中でバラされた頼子は杉山家を出る決心をする!そりゃそうでしょ!確かに篤人は優しいけど、いつも頼子に寄り添っていられるわけではないから、信子や恵子、そして俊人・功に何されるかわからない!こんな家を出たくもなる!
でも、出て行ってどうするのかも気になるよね!そんな折、赤線街で座り込んでしまっているところに、百合の園(赤線)の夢子(娼婦)に声を掛けられ、下働きさせてもらうことになる!この夢子ってのが面倒見のイイ姉さん気質で明るい性格なのがイイよね!そんなこともあり頼子もいろいろ考えて娼婦になる覚悟もできてくるわけ!
そこで水揚げさせるための男を、高利貸しのちょっと怪しげな男(高塚)に探してくれと依頼するわけ!普通なら売女は抱かない主義の高塚なんだけど、頼子に興味を持ったのか、自分が水揚げすると言ってくる!誰でもいいと思っていた頼子も、まんざらではない感じ!一通り終わった後、頼子は自分の過去を話し始める!それにさらに興味を持った高塚は、ある提案をする!
『お前を奴隷として扱い続けたあの場所・・・ あの家族全員に・・・ 地獄を見せてやろう』
この水揚げは、頼子の変わるキッカケになった感じだよね!高塚の提案のせいかな?それとも、何か吹っ切れたのかな?そして『百合の園』の経営者・芳子が頼子に名前を付けようと思うと話してくる。頼子は、芳子に名前を付けてほしかったようだけど、芳子は高塚にも相談していたみたい!
この高塚から『スズランってのはどうだ?』と言われる頼子!スズランには毒があることと、杉山家に対する復讐も関係していたのか、快諾する頼子!ここから本格的な復讐ストーリーが始まっていく感じに思わず興奮!
さらに面白くなりそうな予感!