【前科者(1巻)感想】まさに報われないボランティア?無給の善意でやっている保護司という仕事が切なすぎる!更生しようとする者のドラマと、保護司のドラマに引き込まれる!
前科者(1巻)感想(少しネタバレあり)
原作:香川まさひと、作画:月島冬二
世の中こんな仕事もあるのかと思ったのが『前科者』という漫画で知った、保護司という仕事です。そもそも保護司って犯罪者の更生を手助けする国家公務員らしいけど、報酬は一切なく、民間人のボランティア精神頼みのお仕事らしい!そもそも人の善意の上に成り立つ仕事って、どうなのかと思ってしまうのは、自分が浅はかだから?
本来、この手の更生の仕事は、保護観察官がおこなうらしい!ただ、絶対数が少ない保護観察官では、対応できないので結果的に保護司がメインでおこなうことがあるらしい!それなら尚更、無給というのは変だと思ってしまう!
そして本作、この前科者という漫画は、コンビニと新聞配達をしながら保護司として活動している阿川佳代を主人公にした漫画!1巻は、兄を殺害した弟(石川二郎)が仮釈放されるにあたり、阿川佳代が担当することになり、更生の手助けをしていくストーリーです。
兄を殺害なんて穏やかな感じじゃないけど、これは石川二郎に同情してしまう!なんせ二郎の婚約者(愛子)に無理やり迫ったわけだからね!そのことに逆ギレして、兄(一郎)を殺害してしまったわけ!
ただ、二郎が出所して、兄の墓参りをしているところに昔の知人(坂本)が現れ、不穏なこというわけ!
『二郎、お前さ・・・
殺す相手間違ってるよ。』
坂本の話によると、二郎の婚約者・愛子が一郎を誘惑したと言ってくるわけ!この坂本は、トラブルメーカーな気が・・・もう訳が分からなくなる二郎!だが、別の知人・丸雄に聞くと、それは愛子ではなく愛子の同僚の女性だと言ってくる!
もう、どんな展開になるのかと思うと、もう二転三転して、しかも”どんでん返し”もあって面白い!
前科者って出所してきた人のドラマと、保護司のドラマの両方が楽しめるのがポイント!しかも、よく練り込まれたストーリーで破綻がないから、興味深く読み進められる!ただ、保護司って報われない仕事だと思ってしまうのは、しょうがないのかな?だってボランティアでできる仕事じゃないよね!個人的には、人の善意に漬け込んだブラックな仕事と思ってしまう・・・やっていることは、とても素晴らしいんだけどね!その仕組みは、ブラックだよ!
その無給の仕事をするために、アルバイトで生活をつなげるなんてバカバカしいと思ってしまう。ヤリガイがある仕事といわれると返す言葉がないけど、タダ働きでやれる簡単な仕事じゃないよね!