【フイチン再見!(1巻~3巻)感想】まさに日本の漫画草創期の叙事詩!実在した女性漫画家・上田としこ先生を題材にした作品!戦前戦後の時代背景や、超有名漫画家が実名登場する歴史書といえる作品!
フイチン再見!(1巻~3巻)感想(少しネタバレあり)
村上もとか
正直、画が好みでなかったので今まで避けていたのが『フイチン再見!』です。画のイメージから勝手に”ツマラナイ”と思っていたのですが、実際に読んでみると、漫画としての面白さというよりも、日本漫画界の草創期のストーリーといってもいいくらいの内容に思わず興奮してしまった!本作は、かつて実在した女流漫画家・上田トシコ先生(2008年没)を題材にした、いわば上田トシコ先生の伝記的な作品となっています!
特に引き込まれるのは、実在する、もしくは実在した超有名漫画家が実名登場している点!更に時代背景が戦前戦後ということもあり、激動の時代に実際にあったことが描かれている点!また、日本国内だけでなく上田トシコ先生が幼少期に過ごした満州ハルビンでの生活のことなどが丁寧に描かれているのが興味深い!あるシーンでは、まるで歴史の授業を受けているような錯覚すら受けるほど!
多くの関係者からの取材をもとにした、ある個人の実話の話といえばそれまでだけど、激動の時代背景なども手伝い、とても興味深く読むことができる。作品自体は、非常にイイ出来なのですが、この手の話は好き嫌いがハッキリしそうなので、そこが歯がゆいところ!多くの方に読んで欲しい作品の1つだったりはする!
昭和に生きた漫画家の記録としても非常に面白いと思ってしまう!