【遺書、公開。(1巻)感想】クラスの序列1位!みんなの人気者の女の子の突然の死!クラス全員に配られた遺書をみんなで公開し、死の真相を探る謎解きが面白い!
遺書、公開。(1巻)感想(少しネタバレあり)
陽東太郎
思わず『面白い!』と思ってしまったのが『遺書、公開。』という漫画です。推理小説といった感じなんだけど、その切り口が面白いわけ!ストーリーは、始業式の日に送られてきた、クラスの序列が書かれた謎のメール!そして、その謎のメールでクラスの序列1位で人気者の女の子(姫山椿)の突然の死!追い打ちをかけるようにクラスメイト達の机の上に置かれていた姫山椿からの1人1人に宛てた謎の遺書!この遺書をクラス全員でクラス全員で公開して、姫山椿の死の真相を探るという謎解きなわけ!
特に面白いと思ったのは、その切り口だよね!例えば、イジメで自殺して人がいたとして、遺書があれば、それから自殺の真相を探っていこうとするよね!でも本作の場合、クラスメイト全員に宛てられた内容の異なる遺書があるのが面白い!そして、その内容から色んな思惑や推察ができるわけ!
単なる謎解きかもしれないけど、切り口が斬新だと思ったね!1巻では、最初に遺書を公開したのが谷内恵という女の子!姫山椿とは、そんなに仲が良かったわけではなく、遺書の内容も”そんなことか!”と逆に普通っぽさがある内容!誰かを憎むとか、お前が嫌いだったとか、そんなんじゃない普通の内容といえる!
でもね、姫山椿と仲の良かった御門凛奈の指摘(椿側の目線からの考察)が面白いわけ!確かにそうだよね!自分(谷内恵)が感じていることと、仲の良かった御門凛奈が姫山椿を見ていて感じていたこととは違うんだよね!
これ物凄くよくできていると思う。
また、スクールカーストの弊害といってしまえばそれまでだけど、そもそもクラスメイト達が遺書公開に賛成したのも、その原因が自分には無いと思っているからだよね!『人の不幸はメシウマ!』じゃないけど、自殺の原因が誰にあるのか知りたがっているよね!優しさからではなく、興味本位とか、単に知りたがりとか!それは、自分がその該当にならないという確信があるからだと思う。でも、予想に反して自分にも原因の一端があるような展開になっていくのかもしれない!
また、その中で千蔭みたいな存在は、ちょっと怖いというか貴重なのかもね!死の原因は、『このクラスにあったんじゃないの?』と単刀直入に尋ねるわけ!そもそも千蔭は、絶対に性格悪い気がするけど、言っていることは、核心を突いているかなって思ってしまう!単に言葉をオブラートに包まず、ストレートに言っているだけだからね!
遺書の内容は、感謝の気持ちを伝えるものだけど、遺書を公開したクラスメイトの話を聞いていると、確かに”その人にも問題がある”と思えてくる。”ありがとう”という感謝の気持ちを伝える遺書なんて、明らかにおかしいからね!千蔭が言うように、十分”恨み節”が込められていると考えるのが普通だよ!
『遺書、公開。』って単なる謎解きとして読むとイマイチかもしれないけど、奥が深いのが面白い!